2013年06月29日

発見!お宝!由良町


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【青い海と白い岬が魅力の由良町】


阪和自動車道の紀南延伸が実現するまでは、国道42号の渋滞場所として、交通情報で毎回のようにその名が登場した由良峠に由良トンネル。今は交通量も少なくなりスムーズに走れる。由良町にアクセスするには、今も主には国道42号を使う。紀州のエーゲ海などと呼ばれる石灰岩がむき出しとなっている真っ白な岬と青い海が有名だが、それ以外にも見どころは多い。

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【石灰岩の白い岬が美しい白崎海岸】
由良町の特徴や見どころを畑中雅央(はたなか・まさお)町長に聞いた。白崎海岸の白さは際立っている。昭和40年代まで、石灰岩の採掘場があり、戦争中は洞窟を基地として使っていたといい、現在は、白崎海洋公園として整備。道の駅や物産販売も。法燈国師(ほっとうこくし)が中国から禅(ぜん)や径山寺味噌(きんざんじみそ)を伝え、その副産物として醤油が生まれたという歴史を持つのが興国寺(こうこくじ)。リアス式海岸が複雑な海流を生み、水産資源に恵まれ、また、山間地ではみかん栽培が盛んという。

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【由良町の畑中雅央町長】


白崎海岸を海から眺め、繁殖のために飛来しているウミネコにエサやりができる、白崎クルーズを紹介。クルーズといっても、船はクルーザーではなく、現役の漁船。由良・白崎の海を知り尽くした漁師がガイド役となるから情報が新鮮だ。

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【白崎クルーズ乗り場(大引漁港)】


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【白崎クルーズ船への乗り込み】


大引(おおびき)漁港に、クルーズ乗り場がある。桟橋を渡り、颯爽と船に乗り込む西林味紀リポーター。操縦および案内は、川口健男(かわぐち・たけお)船長。ライフジャケットを身につけ、出港!

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【船上の西林味紀リポーター】


まず登場するのが大碆(おおはい、おおばいとも言う)。白崎の海岸沿いにあるウミネコが飛来する島のひとつ。県道側には、「ウミネコを驚かさないで」という看板が設置されている。多くのウミネコがいるが、ヒナの姿はまだない。

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【ウミネコが飛来する県道沿いの岩場、大碆】


ウミネコの繁殖地としての白崎海岸は、本州最南端で、西日本唯一という。

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【大碆のウミネコ】


大碆は軍艦島(ぐんかんじま)とも言い、少し離れて沖から眺めると、マンモスに見える瞬間があるという。

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【大碆、マンモスに見える?】


巨大なアーチ型の立巌岩(たてごいわ)。県道側から見ても迫力満点だが、船で間近まで接近すると、大きさに圧倒される。これも石灰岩で出来ているという。

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【立巌岩(陸側から)】


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【立巌岩(海上から)】


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【立巌岩の洞窟に大接近】


立巌岩の頂上などにある緑は、ひのきの仲間の紀州槇柏(きしゅうしんぱく)で、由良町の木となっている。成長がとてもゆくっりの木で、地元の高齢者などに話を聞いても、緑も含めた立巌岩の景観は変わっていないという。

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【立巌岩の頂上に紀州槇柏】


クルーズ前半の醍醐味は岩場への海からの大接近。白崎の白い岬に近づいていくと、波に洗われた浸食の跡がリアルで迫力がある。洞窟もある。イタリア南部カプリ島の海食洞、青の洞窟を彷彿とさせる。

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【石灰岩の洞窟】


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【石灰岩に大接近】


白崎の岬を北側に回ると海岸があり、スキューバダイビング体験の人たちの姿があった。

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【白崎海洋公園の体験ダイビングの人たち】


さらに北側には、陸側からも渡れる十九島(つくしま)や黒島(くろしま)。亜熱帯植物の宝庫なのだとか。その先には、犬が寝そべっているような形の島があり、別名・スヌーピー島というらしい。

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【十九島と黒島(左)】


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【スヌーピー島】


船上スピーカーから流れる案内は、女性の音声(あらかじめ録音されたもの)だが、キョロキョロしている西林リポーターを見かねたのか、川口船長が時おり側に来て、島などを指さしながら、その場で、いろいろ教えてくれる。ありがたい。

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【川口健男船長と西林味紀リポーター(右)】


クルーズ後半は、さらに沖あいの島めぐり。船のまわりをウミネコが飛び始める。ごく稀にイルカと出会うこともあるという。島の一部が白くなっているものがあり、そこまで石灰岩が…と思ったら、「あれはウミネコなどの糞で…」と船長。また、海鹿島(あしかじま)にはかつて、アシカがいたという。絶滅種のニホンアシカで、最盛期には250頭を確認したと文献に残っている。振り返ると、白崎の白い岬がかなり遠くなっていた。

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【灯台のある島】


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【いろんな形の小島が並ぶ】


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【白崎海洋公園がある白い岬が遠くなっていく】


目指す先はウミネコが飛来している鹿尾菜島(ひじきしま)。柔らかく質の良いヒジキがとれるらしい。

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【多くのウミネコが飛来している鹿尾菜島】


この島には1000羽を超えるウミネコが飛来、生息しているという。毎年、日本野鳥の会のメンバーが調査に訪れているというから、間違いはない。

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【鹿尾菜島に接近中】



鹿尾菜島近くに船が到着、エサの準備を始める。その日の朝、地引き網で上がったばかりの小魚。マイワシ、ウルメイワシ、ネンブツダイ、小アジ、サバ、ムツ、カマス、イカなど。他の繁殖地ではスナック菓子でいいらしいが、ここのウミネコくんたちは、新鮮な魚じゃないとダメとのこと。贅沢なのか、そういうエサになる魚が多いから、この地に飛来するのかはわからない。

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【ウミネコのエサは小魚】


とはいえ、船上で、魚を取りだしていても、一向にウミネコは近寄ってこない。「行儀が良い」とか話していると、「島からちゃんと見ている」と船長。「ちょっと投げると来るよ」と、数匹放った途端、きたきたきたー。

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【ウミネコの大群、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!】


あらためて、西林リポータースタンバイ。ミニバケツを手に、小魚を投げ上げ始める。近寄っては来るが、基本、空中でキャッチはせず、海に落ちてから、群がる。ただ、しばらく続けていると、空中キャッチをする個体も出てくる。

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【ウミネコへのエサやり体験中の西林リポーター】


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【エサの小魚に群がるウミネコ】


名残惜しいが、そろそろ鹿尾菜島をあとにする。しばらくは、船を追ってくるウミネコもある。

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【船の間近にウミネコが…】


今回の白崎クルーズの航跡をGPSロガーのデータから、Google Mapに落としてみた。

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【白崎クルーズをGPSマッピング】


白崎クルーズの予約は、0738-65-1123(由良観光開発)へ。30分コースと60分コースがある。ウミネコへのエサやりは、ウミネコが飛来しているシーズンのみで、60分コース。




白崎海岸の白い岬の内側には、白崎海洋公園が整備され、道の駅や物産販売所、貝の博物館、ダイビング基地のクラブハウス、キャンプ場などがある。

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【白崎海洋公園ゲート】


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【道の駅・白崎海洋公園】


白崎海岸の白い岩は2億5千万年前、フズリナという原始生物が数百メートルも堆積して出来たといい、ここでは、フズリナやウミユリの化石観察もできる。

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【シェルズギャラリー】


シェルズギャラリーは、白崎出身で元村長(旧白崎村)、貝類研究者の神田耕一郎(かんだ・こういちろう)氏が収集したコレクション。フズリナやウミユリの化石も展示されている。

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【フズリナの化石】


展望所からは、360度のパノラマが眺められる。マップが設置されている。といっても、白い岩と青い海だけ。もちろんそれで十分。そして、見通しが良い日には、遠く、四国や淡路島、六甲山が見えることもあるとか。

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【石灰岩】


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【白崎海洋公園展望所には360度展望マップ】




大引漁港と白崎海洋公園の間は海岸沿いの県道で結ばれている。このエリアにある2つの施設。

ひとつは、白崎万葉公園。歌碑と公衆トイレがある。刻まれているのは、701年(大宝元年)持統(じとう)天皇の一行が白浜の牟婁の湯へ行幸の途中、沖から白崎の海岸を見て、旅の安全の願いを込めて詠んだとされる万葉歌「白崎は 幸くありまて 大船に 真舵しじぬき また帰り見む」。

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【白崎万葉公園の歌碑】


側壁に蛇口があり、そこからは止まることなく水が出ている。白崎の石灰岩の地層から湧きだしている水「白崎の自然水」と記されている。カルシウム成分が多い天然ミネラル水だということで、飲んでみると濃厚な鉱物味が感じられる。

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【白崎海岸道路に蛇口が…】





白崎海洋公園から海岸沿いに県道を北に少し行くと、白崎青少年の家(高台にある)への分岐がある。このあたりは、冬には水仙が咲き乱れる場所。このあたりも景観の良い場所で、時おり、野生動物と遭遇することがある。今回の取材でもタヌキが出現。和歌山放送の他のスタッフも遭遇したと聞く。県立自然公園の案内看板の脇には、エサをやらないようにという注意書きもあった。

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【県立自然公園の案内と野生動物に餌をやらないで…】


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【野生のタヌキ登場】





鍾乳洞が由良町にはある。戸津井鍾乳洞(とついしょうにゅうどう)だ。今回の取材では入口まで行っただけ(土日休日などにのみ開園、取材は平日で、行ってみただけ)。延長100メートル程度の短い鍾乳洞だが、白崎海岸と同じ石灰岩のまた別の形。

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【戸津井鍾乳洞】





国道42号からほど近い場所に興国寺(こうこくじ)がある。法燈国師が中国から、禅や径山寺味噌、尺八を伝えたとされる。普化(ふけ)尺八の本山、虚無僧(こむそう)の寺、天狗の寺などと呼ばれるほか、径山寺味噌と醤油の発祥の寺とも言われる。天狗祭や火祭りなどユニークな祭でも知られる。

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【興国寺参道を行く西林リポーター】


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【興国寺】


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【興国寺の天狗堂の巨大天狗面】





由良町の花は水仙。白崎青少年の家を抜けて、さらに上、番所山(ばんしょやま)の山頂付近は、野生水仙の群生地となっている。毎年、年始ごろから咲き始め、1月下旬には、すいせん祭が行われる。

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【八重咲き水仙満開(1月下旬撮影)】


番所山山頂付近からは、白崎海岸の白い岬部分を真上から見ることができるスポット。イメージが違うなぁ。

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【白崎海岸を上から見ると…】


関連リンク


今月のプレゼントは、由良町のワカメの佃煮「衣奈(えな)そだち」を3人の方に。番組あて「由良町のプレゼント」係へ。応募〆切は、2013年7月20日必着。プレゼント応募の際、番組への意見や感想などをお書きいただけるとうれしい。当選発表は商品の発送を以て代えさせていただきます。

posted by wbs at 18:10| 由良町